チンキ・ティンクチャー(Tincture)|ハーブの利用法

2018年10月31日

チンキ・ティンクチャー(Tincture)とは?

ドライまたはフレッシュのハーブをアルコール、またはアルコールと水のブレンドで漬けられて作られるもので、ハーブの利用法のひとつです。チンキまたはティンクチャーと呼ばれます。

アルコールを使うことにより、水に溶けにくい成分を抽出することが可能となります。また長期間の保存が可能となります

チンキ・ティンクチャーの作り方

チンキ剤には家庭で作る場合と、メディカルハーバリストが処方用で使うのとは多少作り方が異なります。

家庭用

ハーブ1に対しアルコール5が目安。

初めはハーブ1に対しアルコール10の割合で作るのもいいです。
家庭では30~40度くらいのアルコールが適しています。

抽出できる有効成分は少なくなるが、日本酒やワインなどでも作ることができます。
ただし12度以上のアルコールを使用すること。12度以下は雑菌が入りやすく劣化しやすくなります。

作り方

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1
ハーブを適度な大きさにカット。


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2
蓋つきのガラス瓶に、ハーブを3分の1~2ほど入れる。


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3
アルコール(ウォッカやホワイトリカー)をハーブが浸るまで入れる。


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4
冷暗所に保管。


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5
最初の1週間は瓶を1日1~2回振って、ハーブとアルコールをなじませる。


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6
2~3週間したら濾して遮光瓶等に入れ冷暗所で保管。

漉したハーブに残っているエキスもしっかり絞ります

メモ

チンキ剤は1~2年ほど保存可能です。

ジャスミンのチンキ

処方用

家庭用と大きく違うのは、ハーブごとにアルコール度数をかえて使用します。

アルコール度数は25・35・45・60・70・90度など。

使用するアルコールはライ麦などが原料の96度のオーガニックエタノールを使用するのが主流です。(アルコール度数が高いため火の元注意!)

このエタノールを希釈して作り、希釈には主に水を使用します。芳香蒸留水などが使われることもあります。

チンキ・ティンクチャー(Tincture)の利用方法

飲用

家庭で作ったチンキ剤の場合、1回5㎖ 1日2~3回。
チンキ剤は少量の水、または白湯で薄め飲用。
水の代わりにジュースなどを利用する場合、柑橘系は避ける。
アルコールが苦手な人、肝疾患、妊婦、授乳期使用注意。

化粧水

全体に対しチンキ剤が5%が目安。
【化粧水100㎖の場合の例】
精製水 90㎖
ハーブチンキ 5㎖
グリセリン 5㎖
アロマオイル 5~10滴

入浴剤

200ℓのお湯にチンキ剤20~50㎖
アロマオイル 5滴

マウスウォッシュ

【マウスウォッシュ100㎖の場合の例】
精製水 70㎖
チンキ剤 30㎖

よけスプレー

【虫よけスプレー100㎖の場合の例】
精製水 80㎖
チンキ剤 20㎖

浄液・外用

薄めたチンキ剤を湿疹・切り傷・すり傷・炎症・腫れ物に使用。
薄めたチンキ剤をガーゼなど柔らかい布に浸し、湿布剤として使用。

リネンスプレーなどに

水で薄めたチンキ剤をスプレーなどで使用。

アルコール以外で作るチンキ グリセリンチンキ

アルコールを使用しないチンキ剤です。植物性(飲用)のグリセリンを使用してチンキ剤を作ります

水溶成分が主要のハーブに適しています。

使い方はアルコールと同様。ただしグリセリンは60%以上の分量を使用

 

参考文献

参考文献

参考文献 『メディカルハーブ―薬用ハーブ完全図解ガイド)』ペネラピ・オディ著 英国ハーブソサエティ編/日本ヴォーグ社(1 ...