チンキ・ティンクチャー(Tincture)とは?
ドライまたはフレッシュのハーブをアルコール、またはアルコールと水のブレンドで漬けられて作られるもので、ハーブの利用法のひとつです。チンキまたはティンクチャーと呼ばれます。
アルコールを使うことにより、水に溶けにくい成分を抽出することが可能となります。また長期間の保存が可能となります。
チンキ・ティンクチャーの作り方
チンキ剤には家庭で作る場合と、メディカルハーバリストが処方用で使うのとは多少作り方が異なります。
家庭用
ハーブ1に対しアルコール5が目安。
初めはハーブ1に対しアルコール10の割合で作るのもいいです。
家庭では30~40度くらいのアルコールが適しています。
抽出できる有効成分は少なくなるが、日本酒やワインなどでも作ることができます。
ただし12度以上のアルコールを使用すること。12度以下は雑菌が入りやすく劣化しやすくなります。
作り方
step
1ハーブを適度な大きさにカット。
step
2蓋つきのガラス瓶に、ハーブを3分の1~2ほど入れる。
step
3アルコール(ウォッカやホワイトリカー)をハーブが浸るまで入れる。
step
4冷暗所に保管。
step
5最初の1週間は瓶を1日1~2回振って、ハーブとアルコールをなじませる。
step
62~3週間したら濾して遮光瓶等に入れ冷暗所で保管。
メモ
チンキ剤は1~2年ほど保存可能です。
処方用
家庭用と大きく違うのは、ハーブごとにアルコール度数をかえて使用します。
アルコール度数は25・35・45・60・70・90度など。
使用するアルコールはライ麦などが原料の96度のオーガニックエタノールを使用するのが主流です。(アルコール度数が高いため火の元注意!)
このエタノールを希釈して作り、希釈には主に水を使用します。芳香蒸留水などが使われることもあります。
チンキ・ティンクチャー(Tincture)の利用方法
飲用
家庭で作ったチンキ剤の場合、1回5㎖ 1日2~3回。
チンキ剤は少量の水、または白湯で薄め飲用。
水の代わりにジュースなどを利用する場合、柑橘系は避ける。
アルコールが苦手な人、肝疾患、妊婦、授乳期使用注意。
化粧水
全体に対しチンキ剤が5%が目安。
【化粧水100㎖の場合の例】
精製水 90㎖
ハーブチンキ 5㎖
グリセリン 5㎖
アロマオイル 5~10滴
入浴剤
200ℓのお湯にチンキ剤20~50㎖
アロマオイル 5滴
マウスウォッシュ
【マウスウォッシュ100㎖の場合の例】
精製水 70㎖
チンキ剤 30㎖
虫よけスプレー
【虫よけスプレー100㎖の場合の例】
精製水 80㎖
チンキ剤 20㎖
洗浄液・外用
薄めたチンキ剤を湿疹・切り傷・すり傷・炎症・腫れ物に使用。
薄めたチンキ剤をガーゼなど柔らかい布に浸し、湿布剤として使用。
リネンスプレーなどに
水で薄めたチンキ剤をスプレーなどで使用。
アルコール以外で作るチンキ グリセリンチンキ
アルコールを使用しないチンキ剤です。植物性(飲用)のグリセリンを使用してチンキ剤を作ります。
水溶成分が主要のハーブに適しています。
使い方はアルコールと同様。ただしグリセリンは60%以上の分量を使用。
参考文献
-
参考文献
参考文献 『メディカルハーブ―薬用ハーブ完全図解ガイド)』ペネラピ・オディ著 英国ハーブソサエティ編/日本ヴォーグ社(1 ...